重粒子線治療の現状と実績
安全性が高く、治療効果の高い照射方法が確立しています
治療実績・施設数ともに日本が世界のトップ
患者さまのQOLを維持し、社会復帰を支援する機能温存・低侵襲がん治療法である重粒子線治療。世界各地で装置の建設計画が進んでいますが、現時点では、国内で7施設での重粒子線治療が実施されているのは、日本のみ。日本は重粒子線治療分野において、施設数でも経験数においても、世界をリードしています。
局所制御に優れ、生存率向上が期待できる
日本においては、43,000人以上のがん患者さまが重粒子線治療を受けています(2023年末現在)。手術非適応の難治がんを対象として行った臨床研究の結果、適応となるがんについてはいずれも局所制御率が高く、従来の治療法に比べて生存率の向上が期待できることが明らかになりました。
地域での高度ながん医療体制の充実をめざしています
設置面積や建設費用が従来の装置より大幅に軽減される普及型重粒子線照射装置の第1号機が、群馬大学にて治療を開始しました。各地域での、重粒子線治療を組み込んだ高度ながん医療体制の構築のモデルになることが期待されています。また、次世代の照射システムとして実用が望まれている「呼吸同期3次元スキャニング照射法」も臨床試験の段階に入るなど、重粒子線治療はより効果が高く、安全ながん治療をめざしてさらに前進しています。