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重粒子線治療における医療連携について
さまざまな専門医・医療機関と強い医療連携を結んでいます
主治医の先生と連携して治療を行います
群馬大学 重粒子線医学センターおよび神奈川県立がんセンター 重粒子線治療施設i-ROCKをのぞき、重粒子線治療施設はいずれも、診療科が放射線科に限られた医療施設です。重粒子線治療の専門医療は提供できますが、それ以外の検査や診療は、紹介元の主治医の先生にお願いするなどの医療連携によって行われる診療です。
そのほか、重粒子線治療施設は、つぎのような医療連携を行っている施設もあります。
放射線以外の専門的な処置
たとえば、消化管の近くに腫瘍があり、重粒子線を照射するために体内にスペーサーを留置する必要がある場合は、放射線を専門とする施設では対応ができません。そのような場合は、連携先の外科医に開腹下スペーサー留置術を依頼します。また、頭頸部腫瘍などで口腔に照射する場合は、歯科医との連携で照射前口腔診査や抜歯、金属冠除去などの歯科処置を行います。
救急医療連携
重粒子線治療中の患者さまの容体が急変した場合に、救命救急の専門医と連携して治療に当たっています。
満床時の入院協力
近年、重粒子線治療を希望される患者さまが増え、自施設の病床だけでは、受け入れられる患者さまの数に限りがあります。そこで、重粒子線治療施設が満床で入院できない場合、通院が可能な患者さまに限り、近隣の連携病院に入院のみお願いすることがあります。
都市部の医療機関での重粒子線治療外来の実施
兵庫県立粒子線医療センターでは、外来に来られる患者さまの足の便を考慮して、都市部の複数の医療機関と連携し、出張外来を行っています。(詳しくは兵庫県立粒子線医療センターにお問い合わせください)
九州大学病院の「粒子線がん治療外来」開設
佐賀県鳥栖市では、九州で初めてとなる重粒子線がん治療施設「九州国際重粒子線がん治療センター」(愛称:サガハイマット)が平成25年春に開設されました。
また九州大学病院において、センターの運営主体である公益財団法人佐賀国際重粒子線がん治療財団の寄附講座「重粒子線がん治療学講座」による粒子線がん治療外来が24年4月に開設されています。
ここでは、国内の粒子線治療施設と連携して、粒子線治療を希望する患者さんへの情報提供、適応判断、適応のある患者さんの紹介、治療後の経過観察などを行っています。(詳しくは九州大学病院にお問い合わせください)
J-CROS誕生
2016年4月、国内の重粒子線治療施設間の多施設共同臨床研究グループ(Japan Carbon-Ion Radiation Oncology Study Group : J-CROS)が組織されました。この組織にはデータを扱う部門や生物統計の専門家など臨床研究に必要な専門家がふくまれており、今後重粒子線治療のエビデンスを発信する場として重要な役割を果たしていくことが期待されています。