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よくあるご質問

誰でも重粒子線治療を受けることができますか?

はい、どなたでも受ける資格があります。
ただし、重粒子線治療といえども局所療法の一つですので、治療対象となるのは、がんの種類とか進行度等により適格と判断された場合に限られ、必ずしも受けられないこともあることをご承知下さい。重粒子線治療の適格条件は治療施設により幾分の違いはありますが、ほぼ同じと考えて結構です。
当相談クリニックでは、こういった適格条件について詳しくお答え致します。

(関連:「治療施設・相談クリニック紹介」)

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全てのがんが治療の対象ですか?

ほぼすべての種類の固形がん(運動性の消化管は対象になりにくいです。)を対象にしています。
ただし、重粒子線治療に向いているのは、原則として、同じ種類のがんでも病巣がまだ局所に限局している場合です。重粒子線は局所にたくさんの線量を安全に集中することが出来ますので、従来の放射線治療では治療が難しい症例とか、手術が不向きな進行がんでもまだ局所に留まっていれば、優れた治療効果が期待できます。なお、血液のがんやリンパ腫などは向きません。

(関連:「重粒子線治療のメリット」)

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がん転移があったら治療できませんか?

治療出来ないことが多いですが、場合によっては適応となります。
例えば、がんの種類によってはたとえ転移があっても、原発部位を治療することでQOLや生命予後の改善を期待出来る場合は、治療の意義を納得いただいた上で、治療をうけることが可能です。
また、最初のがんがうまく治療されていて、かつ特定の臓器や部位に転移病巣が1箇所だけの場合も、その転移病巣そのものが治療の対象になることもあります。
(原則として、転移がんを個々に重粒子線で治療することはしません。すでに広範囲な遠隔転移をしたがんは治療の対象外となっています。)

(関連:「従来の治療との違い」)

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以前に放射線治療を受けています。重粒子線治療は受けられますか?

これは場合によります。
原則として、以前に放射線を一度でも受けた部位は、重粒子線治療の対象外となっています。これは、一度でも放射線治療を受けたところを重ねて照射すると、重粒子線といえども重篤な副作用を起こす可能性が高いからです。
ただし、以前に受けた線量が比較的低い場合とか、重粒子線を照射しても重篤な副作用にならないと判断出来る場合には、再治療の損得を十分に納得していただいた上で、重粒子線治療の対象となることがあります。ケースバイケースであることをご承知下さい。

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重粒子線治療の特徴は?

体内での線量集中性が高く、生物効果(効き目)が大きいことです。
一つは、荷電粒子線としての特徴であるブラッグピーク(付与線量のピーク)を患部に合わせることで線量集中性を高めることができます。また、重粒子は陽子より重く体内の原子に弾かれにくいため、体内での直進性にも優れているので、重要臓器に近接している腫瘍を狙った照射が出来ます。
もう一つは、生物効果が大きいことです。重粒子線の生物効果は従来の放射線や陽子線と比べると、約2~3倍程度です。これにより、重粒子線治療は治療期間が短くでき、従来の放射線治療では難しかった放射線抵抗性のがんにも、治療効果が期待できます。

(関連:「重粒子線治療とは」/「従来の治療との違い」)

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治療期間はどれくらい必要ですか?

一般の放射線治療と比べて非常に短いのが特徴です。
例えば、肺や肝臓は1日で1回あるいは2日で2回(目安)で済む短期治療が可能で、頭頸部・骨軟部・前立腺などでは3週間(12回:目安)以下です。このように重粒子線治療は、患者様の早期の社会復帰を可能にします。

(関連:「重粒子線治療のメリット」)

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入院は必要ですか?

重粒子線治療そのものは体に負担のかからない治療ですので、外来通院 で治療を行うことができます。ただし、もともと全身状態が良くない患者様とか、初めから入院を希望される患者様は、担当医の判断により入院治療が可能です。

(関連:「治療の流れ」)

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費用はどれくらいかかりますか?

現在、下記のがんに対する粒子線治療に保険適用が認められています。
(保険点数:237,500点 但し前立腺がんは160,000点)
①重粒子線治療
○骨軟部肉腫(手術が困難なもの)
○頭頸部がん(鼻・副鼻腔・唾液腺等、涙腺がん)
○早期肺がん(Ⅰ-ⅡA期)
○肝細胞臓がん(長径4cm以上のもの)
○肝内胆管がん
○局所進行性膵臓がん
○前立腺がん
○子宮頸部腺がん
○子宮頸部扁平上皮がん(長径6cm以上のもの)
○大腸がん(術後骨盤内再発)
○婦人科領域の悪性黒色腫
②陽子線治療
○小児がん(限局性の固形悪性腫瘍)
○骨軟部肉腫(手術が困難なもの)
○頭頸部がん(鼻・副鼻腔・唾液腺等、涙腺がん)
○早期肺がん(Ⅰ-ⅡA期)
○肝細胞臓がん(長径4cm以上のもの)
○肝内胆管がん
○局所進行性膵臓がん
○前立腺がん
○大腸がん(術後骨盤内再発)

例えば、治療費は前立腺がん治療費が160万円、それ以外の上記疾患は治療費237.5万円で、これに入院・診察費などを含めた金額の1~3割の金額が患者負担額となります。
更に、高額療養費制度の使用等で医療費の個人負担額が抑えられるなど、身近な治療となっています。

その他の疾患については、学会が作成した疾患別統一治療方針に基づき、引き続き先進医療として治療が行われることになりました。
先進医療として認められているがん治療は、一般の保険診療と併用することができます。重粒子線治療は先進医療として認められているため、混合診療が可能です。そのため、重粒子線治療費用約300万円(自己負担。日本の保険証をお持ちで無い方の費用は約400万~500万円です。治療費は各施設のホームページをご覧ください。)に加えて、通常の保険診療部分(診察、検査、入院、薬など)の1~3割を加えた金額が患者負担となります。これらの保険診療部分の費用は、確定申告での医療費控除の対象であり、一定金額を超えた場合は高額医療費制度の適用となります。

(関連:「治療費用」)

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副作用(治療による有害な反応)はありますか?

一般の放射線治療に比べ、副作用はかなり軽いといえます。
ただし、治療部位にもより全くないとは言えません。がんの部位、照射の方向、治療線量などによって副作用の症状とか程度が異なり、個人差もあります。
このようなことを踏まえ、治療を決める前のインフォームドコンセントでは、医師が、起こりうる副作用や副作用が起こった場合の対処法などについて詳しく書面などで説明し、患者様によく理解していただくようにしています。

(関連:「重粒子線治療とは」)

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一回の治療時間はどれくらいですか?

治療部位にもよりますが、照射部位を決める作業とか、体を固定する準備作業等に多くの時間を費やしますが、照射時間そのものは1~3分程度です。したがって、一回の治療に必要な時間は合計約15~30分程です。

(関連:「重粒子線治療のメリット」)

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治療により痛みや熱さを感じますか?

いいえ。照射そのもので痛みや熱さを感じることはありません。ただし、照射期間中あるいはその後一定期間、照射された部位が皮膚や粘膜の場合には炎症を起こして一時的にヒリヒリとし、熱感を生じることがあります。これらは軟膏や投薬により軽快します。

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治療により髪の毛が抜けることはありますか?

放射線(重粒子線も含む)の作用は、照射した範囲に限られますので、胸部や腹部の治療では頭髪が抜けることはありません。頭頸部がんの治療で、髪の毛が生えているところが 放射線の通り道になる場合、その範囲だけ一時的な脱毛を生じる場合はあります。

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治療の流れを教えて下さい。

治療の流れ」をご覧ください。

(関連:「治療の流れ」)

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今後、国民健康保険が適応される可能性のあるがんは?

現在、下記のがんに対する粒子線治療に保険適用が認められています。
①重粒子線治療
○骨軟部肉腫(手術が困難なもの)
○頭頸部がん(鼻・副鼻腔・唾液腺等、涙腺がん)
○早期肺がん(Ⅰ-ⅡA期)
○肝細胞臓がん(長径4cm以上のもの)
○肝内胆管がん
○局所進行性膵臓がん
○前立腺がん
○子宮頸部腺がん
○子宮頸部扁平上皮がん(長径6cm以上のもの)
○大腸がん(術後骨盤内再発)
○婦人科領域の悪性黒色腫
②陽子線治療
○小児がん(限局性の固形悪性腫瘍)
○骨軟部肉腫(手術が困難なもの)
○頭頸部がん(鼻・副鼻腔・唾液腺等、涙腺がん)
○早期肺がん(Ⅰ-ⅡA期)
○肝細胞臓がん(長径4cm以上のもの)
○肝内胆管がん
○局所進行性膵臓がん
○前立腺がん
○大腸がん(術後骨盤内再発)
その他の疾患については、学会が作成した疾患別統一治療方針に基づき、多くが引き続き先進医療として治療が行われています。

先進医療が保険適応となるためには、先進医療としての有効性、安全性に加え、一般への普及性、効率性および技術的成熟度を満たしているかが総合的に判断されます。中でも、普及性の観点からは、全国の国民が平等にその治療を受けられるための地域展開(均てん化)が求められます。

粒子線治療の保険適用疾患が増えておりますが、高額療養費制度の使用等で医療費の個人負担額が抑えられるなど、患者様や専門医師の要望が特に強い粒子線治療について、さらに保険収載の可能性があると考えています。
粒子線治療は、日本のがん治療の中で重要な位置を占めつつあります。

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