- 現状と実績
- 世界各地での研究・開発状況
世界各地での研究・開発状況
重粒子線治療において、世界各国をリードする日本
約20年の臨床研究実績をもつ日本
1970年代末より、アメリカのローレンス・バークレー研究所(LBL)で、既存の原子核実験用に建設された加速器を利用して、重粒子線治療の先駆的研究が行われました(現在は閉鎖)。その後、日本の放射線医学総合研究所(放医研)により、世界初の医療専用装置による本格的な臨床研究が開始され、約20年間、約29,000名以上(2019年末現在)の治療実績を経て、重粒子線治療は有効性の高い低侵襲治療として成長し、世界に認められるようになりました。
世界に先駆けて実運用に成功した日本発の技術
重粒子線治療法は、量子科学技術研究開発機構(QST)放射線医学総合研究所(NIRS)が、世界に先駆けて実運用に成功した技術です。国内の重粒子線治療施設では、1994年から2019年末までの期間に約29,000名以上の患者さまの治療に成功しています。
国際的にも高い関心が寄せられ、多くの国がこの治療装置の導入を検討しています。現在、日本国内ではQST病院(旧放射線医学総合研究所病院)、群馬大学重粒子線医学センター、兵庫県立粒子線医療センター、九州国際重粒子線がん治療センター、神奈川県立がんセンター、大阪重粒子線センターで重粒子線治療が行われており、国外ではドイツのハイデルベルク大学及びマールブルグ治療センター、中国は蘭州の近代物理研究所及びその製造した機器を設置した武威と上海大学、イタリアの重粒子治療センター(CNAO)、オーストリアのMed-Austronなどで導入・運用されています。
2020年日本における7番目の施設としての東日本重イオンセンター(山形大学)が開始される予定。また、台北栄民総医院と韓国延世大学が日本製の重粒子線治療装置を導入した治療センターを建設中です。